HANA「ROSE」韓国撮影MVの裏側！メンバーソロカットと泥シーンの撮影秘話

HANAのデビュー曲「ROSE」は、圧巻の映像美と深いメッセージ性で話題となったミュージックビデオ（MV）です。

特に注目を集めたのが、韓国で撮影された大規模なセットや、泥の中でのパフォーマンス、そしてメンバーそれぞれの個性が光るソロシーン。

本記事では、MVのコンセプトや撮影の裏側、そしてMAHINAの不在による演出調整まで、知られざる舞台裏を詳しく紹介します。

HANA「ROSE」MVで最も注目された泥シーンの真相

MVの中でもとりわけ印象的だったのが、メンバーが泥の中でもがきながらも、花を手に前進するシーンです。

美しい照明とカメラワークが融合し、ただの演出にとどまらない力強いメッセージが込められていました。

この泥シーンの裏側には、“苦境を乗り越える意志”と“再生”というテーマがありました。

逆境を象徴する泥と、希望を象徴する花の演出

演出の意図として語られたのは、「泥＝社会的な抑圧や苦難」「花＝その中で咲く希望と個性」という象徴性です。

花を持って進む姿は、あらゆる困難の中でも自分らしさを失わずに生きることを表しています。

実際の撮影では、冷水と混ざった人工泥で滑りやすく、何度もNGが出るほどの過酷な環境だったそうです。

メンバーの体を張ったパフォーマンスとその意味

このシーンは、MV撮影の最終日にスケジュールされたため、メンバーの体力が限界に近い中で行われたといいます。

それでも表情一つ崩さず演じ切った彼女たちの姿からは、「アーティストとして何を届けたいか」という強い覚悟が伝わってきます。

特にKOHARUとYURIのパートでは、泥に手を突っ込んで花を掘り起こすカットが使用され、“困難の中から見つける価値”を体現していました。

この泥シーンは単なる映像美ではなく、メッセージとリアルな苦労が重なった、MVの中核をなすシーンでした。

視聴者が心を動かされるのも納得の、圧巻の演出だったと思います。

メンバー別ソロカットに込められた演出意図

「ROSE」のMVでは、メンバーそれぞれの個性とストーリーを表現したソロカットが巧みに挿入されています。

それぞれのシーンには、現代社会に生きる若者が抱える葛藤や願望が投影されており、ファンの間でも多くの考察が飛び交いました。

ここでは、各メンバーのソロシーンに込められた演出意図と、それが伝えるメッセージを掘り下げていきます。

YURI：AIとの対決で描く強さと孤独

YURIのシーンでは、無数のAIに囲まれながらも、それと対峙する姿が描かれます。

これは、同調圧力や社会的ルールとたたかう、現代の若者の姿を象徴しているとのこと。

無機質な空間で孤独にたたかうYURIは、「自分を守りながらも未来を切り拓こうとする意志」を体現していました。

MOMOKA：アンドロイドに囲まれたラップパートの挑せん

MOMOKAのラップパートでは、サイバーパンク調の照明と機械音が印象的で、アンドロイドに囲まれて動じない姿が映し出されました。

この構図は、大量情報とテクノロジーに支配される社会への批判と、自らの言葉で存在感を示す決意を象徴しています。

「流されず、自分のテンポで生きる」というメッセージが込められており、彼女の芯の強さが際立つシーンでした。

KOHARU：トゲに縛られながらも躍動する生命力

KOHARUのソロでは、バラの棘のようなワイヤーに全身を縛られた姿が映し出されました。

しかし、彼女はその中でもしなやかに舞い、「苦しみの中でも生きる強さ」を体現しています。

これは、不自由さを抱えながらも輝きを失わない人間の美しさを象徴するものでした。

JISOO＆NAOKO：倒れても救い合う絆の象徴シーン

JISOOとNAOKOのシーンは、MV唯一の「2人組」でのソロカットでした。

荒廃したセットの中、互いに手を取り合い、何度倒れても立ち上がる姿が映されています。

これは、仲間との絆や信頼、支え合いの大切さを強く伝えるシーンでした。

このように、各メンバーのソロカットは映像美だけでなく、深い社会的メッセージを内包しており、MV全体の完成度を一段と高めています。

MV制作の舞台裏：監督・演出・撮影スケール

HANA「ROSE」のMVは、ただ美しいだけでなく、深い意味と世界観を映像に落とし込んだ作品として高い評価を得ています。

その背景には、韓国の一流映像チームとアートディレクターによる、緻密な演出と大胆な構成がありました。

このセクションでは、監督の意図やセットの規模、そして印象的な泥シーンがどのように生まれたのかをご紹介します。

監督キム・ヨンジョが描いたビジュアル世界

本MVを手掛けたのは、BTSやBLACKPINKの演出も手がけたことで知られるキム・ヨンジョ監督。

彼のビジョンは、「感情と視覚の融合」をテーマに、絵画のような1カットを積み重ねてドラマを構築することでした。

特に照明と色彩にこだわり、「ROSE＝美しさと痛みの象徴」として、映像全体に緊張感と叙情性を与えています。

韓国で構築された巨大セットとロケ地の選定

MVはソウル近郊の撮影所で行われ、3つの大型セットと2カ所の野外ロケーションが用意されました。

都市的な近未来空間から自然の荒野まで、多彩な背景が「ROSE」の多層的なテーマを象徴しています。

特注のバラ型セットや、リアルな泥エリアの再現は、まさにMVのクオリティを支える要素となりました。

最終日に撮影された泥シーンの過酷な現場

泥シーンは、スケジュールの最後に行われた理由があります。

泥によって衣装や機材が汚れるため、すべての撮影工程の後に組み込まれたとのことです。

当日は気温も低く、メンバーは凍えるような寒さの中で水と泥に浸かりながら演技を続けました。

スタッフは全員レインコート装備で撮影に臨み、機材も特別な防水対応が施されるなど、万全の態勢が取られていたそうです。

こうした舞台裏の努力があってこそ、「ROSE」は多くの人の心を打つ作品となったのです。

MAHINA欠席による演出変更とプロフェッショナルな対応

MV撮影において、大きな変更を迫られたのがMAHINAの体調不良による不参加でした。

MVの世界観は当初5人編成を前提に組まれており、演出、カット、振付すべてに影響を与える要素となっていました。

それでも現場は動揺することなく、柔軟な対応と創意工夫でその穴を埋めていったのです。

体調不良による欠席と胃腸炎の影響

MAHINAはMV撮影初日の朝、急性胃腸炎による体調不良により、現場への参加が困難となりました。

彼女自身も出演を強く希望していたものの、現地の医師の判断とスタッフの安全配慮により、出演は見送られました。

この判断により、撮影スケジュールや構成に即時の修正が必要となり、プロジェクト全体に緊張感が走ったと言います。

人数構成を変えて乗り切った現場の工夫

MAHINA不在の影響を最小限にするため、演出チームはセットごとのカット割りを緊急で変更しました。

たとえば、本来5人で配置されるはずだったシーンを、4人の交差動線で再構成し、人数の違和感を感じさせない工夫が施されました。

一部のダンスシーンは鏡や影を活用して空間を補完し、「MAHINAの存在を消さない」演出も盛り込まれたのが印象的でした。

プロとしての柔軟な対応力と、メンバー・スタッフの絆が垣間見えるこの対応は、HANAというグループの強さそのものを表しているように感じました。

衣装と背景が語る「バラの美しさと棘」

HANA「ROSE」のMVでは、衣装と背景の対比が非常に象徴的で、視覚的インパクトと物語性を強く感じさせます。

白と赤、光と影、柔らかさと鋭さといった「対極の要素」がぶつかり合い、映像全体に緊張感と美しさをもたらしていました。

ここでは、そのビジュアルに込められた意図や背景を解き明かします。

白衣装と赤背景の強烈なビジュアル効果

MV序盤で登場する、白の衣装と真紅の背景は、視聴者に強烈な印象を与える構図です。

この色彩の対比には、「純粋さの中にある情熱」や「無垢さと攻撃性の同居」といった意味が込められています。

白は理想や無垢の象徴、赤は欲望や痛みの象徴として対置され、まさにバラが持つ「美しさと棘」を視覚化しているのです。

衣装に込められた「自己愛」と「反骨」のメッセージ

衣装のデザインには、あえて非対称に縫製されたラインや、背中や腕の一部にだけ装飾を施した個性的な仕上がりが多く見られます。

これは、「完璧じゃなくていい、自分の形を貫け」という、自己愛と反骨のメッセージを表していると解釈できます。

また、それぞれのメンバーのキャラクターに合わせた装飾や質感が施されており、「個を尊重する世界観」が衣装の中にもしっかりと反映されています。

背景に登場する巨大なバラのセットや、散りばめられた棘のオブジェクトも含め、衣装と美術が一体化することで、MV全体のメッセージ性を際立たせていました。

HANA ROSE韓国撮影MVの魅力とその裏側のまとめ

HANA「ROSE」のMVは、視覚美と深いストーリーテリングを両立した、非常に完成度の高い作品です。

その美しさの裏側には、過酷な現場と徹底した演出意図、そしてメンバーたちの覚悟が込められていました。

ここでは、全体を振り返りながらMVの魅力を総括します。

芸術性と物語性を両立した映像美

「ROSE」は単なるミュージックビデオではなく、視聴者に強いメッセージを届ける「短編映像作品」として仕上がっています。

色彩設計、セット、美術、照明の全てが緻密に構成され、見るたびに新しい発見がある奥深さを持っています。

芸術性と社会的メッセージ、感情の描写を高いレベルで融合させた、まさに今の時代にふさわしいMVです。

メンバーの想いとスタッフの熱意が融合した傑作

撮影中の困難や演出変更にもかかわらず、一切の妥協なく作り上げられた映像からは、関わった全ての人の情熱が伝わってきます。

特に泥シーンやソロカットでは、メンバー一人ひとりが表現者としての役割を全うし、強いメッセージを届けてくれました。

演出、衣装、美術、撮影、編集、すべてが「ROSE」という一輪の花を咲かせるために機能していたと感じさせる、真のチームワークがそこにありました。

このMVがファンの心を強く打ったのは、見えない裏側での努力と、作品に込められた想いの深さがあるからこそ。

HANAの「ROSE」は、今後のJ-POPシーンでも語り継がれる映像表現のひとつとなるでしょう。